昼行性と夜行性
人間は昼行性と言うけれど、夜の方が元気が出る人もいるのでは?と尋ねられました。
さて、確かに人間は一般的には、夜眠り、昼活動するので、昼行性の動物です。リスや、昆虫の仲間ではチョウやショウジョウバエは、昼型です。しかし、夜になると活動を始めるネズミやハムスターは夜行性ですし、スズムシやコオロギは夜に鳴きます。季節によって、昼行性と夜行性を変える変わった動物もいます。また、人間の場合、睡眠時間はだいたい7~8時間ですが、東京では、夏は昼と夜がそれぞれ14時間30分と9時間30分なのに、冬は、これが逆転して、昼が9時間45分、夜が14時間15分になります。(末尾に資料をつけます)
つまり、15時間眠る珍しい人以外は(笑)、人間は、冬の間は暗い時間にも結構長く活動するので、部分的には「夜行性」といえるかもしれません。なお、ののちゃんの記事では紹介できなかったのですが、夏の方が睡眠は少し短いです。また、個人差も非常に大きく、朝一番から、元気満開全開の人と午後からしか元気が出ない人がいますね。
また、昼行性と言っても、たとえばショウジョウバエは、朝一番と、夕方暗くなる前後に活発に活動し、真っ昼間は活動が弱まり、まるで、お昼寝をしているようです。このような、昼と夜の境目に活動するタイプを昼行性diurnalでも夜行性noctunalでもなく、crepuscularとも呼びます。crepuscularは、薄暗いという意味で、薄明(活動)性です。ショウジョウバエのように小さな動物は、直射日光に当たると、すぐ身体が乾いてしまうでしょうから、直接の強い光は避けたいはずです。夏に外出すると、明け方と夕方にだけ蚊にさされて、日中は刺されないのも、同じ理由です。
人間でも、長く眠るのは夜ですが、誰でも経験するように、午後にもかなり強く眠くなる時間帯があります。(興味のある方は、睡眠相後退症候群の説明の中の眠気の波の図を見て下さい。)ですから、日本にはあまりない習慣ですが、南の方の国や、南欧諸国には、大人でも昼寝の習慣がある国があります。
また、眠る前の時間帯に覚醒度が高まる「覚醒維持帯」または「睡眠禁止帯」と呼ばれる時間があり、ほとんどの場合、この時間は暗くなった後ですが、この時間帯は知的能力が高まります。この時間帯に仕事をする人は、「夜型」タイプと言えるでしょう。ぼく自身も、そうです(^_^;)
ただ、とは言っても、夜の後半には眠りますし、寝坊してもお昼過ぎには、活動が始まりますから、やはり昼行性と言えるでしょう。なお、専門的には、明期の始まる時間と明期の長さ、活動の始まる時間の位相関係という観点で、動物、植物について、いろいろ研究されています。
<資料>
●東京の昼の長さ
日付 日の出 日の入り 昼の長さ 夜の長さ
2009/01/01 06:51 16:39 09:48 14:12
2009/04/01 05:28 18:03 12:35 11:25
2009/07/01 04:29 19:01 14:32 09:28
2009/10/01 05:36 17:25 11:49 12:11
2009/12/21 06:47 16:31 09:44 14:16
MAX 06:51 19:01 14:35 14:16
MIN 04:25 16:39 09:44 09:25
●熊本の昼の長さ
日付 日の出 日の入り 昼の長さ 夜の長さ
2009/01/01 07:19 17:22 10:03 13:57
2009/04/01 06:06 18:37 12:31 11:29
2009/07/01 05:12 19:29 14:17 09:43
2009/10/01 06:11 18:02 11:51 12:09
2009/12/21 07:15 17:15 10:00 14:00
MAX 07:20 19:29 14:19 14:01
MIN 05:08 17:11 09:59 09:41
●札幌の昼の長さ
日付 日の出 日の入り 昼の長さ 夜の長さ
2009/01/01 07:06 16:10 09:04 14:56
2009/04/01 05:17 18:01 12:44 11:16
2009/07/01 03:59 19:18 15:19 08:41
2009/10/01 05:31 17:17 11:46 12:14
2009/12/21 07:03 16:03 09:00 15:00
MAX 07:06 19:18 15:23 15:00
MIN 03:54 16:00 09:00 08:37
#こうやって見てみると、夏の札幌は4時前に日が昇ってしまうし、夜の長さも8時間40分しかないので、少し夜更かしすると、睡眠時間がぐっと短くなりそうですね。これでサマータイムを導入したら、確かに、夏時間に合わせるのは、すごく大変そうです。
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