脳科学の最前線

2ヶ月ぶりになってしまいましたが、今日の講演会のご報告です。

http://www.gsscs.kumamoto-u.ac.jp/info/01.html#seminar

日時:平成21年8月8日(土) 13:00-17:00
場所: 熊本大学工学部百周年記念館

開会あいさつ:山村 研一 副学長
司会:高橋 隆雄 社会文化科学研究科長

積山 薫 (文学部教授) 「脳の不思議-柔らかな脳と適応する心-」
粂 和彦 (発生医学研究所准教授) 「脳科学は自由意志を否定するか」
友田 明美 (医学薬学研究部准教授) 「いやされない傷-児童虐待と傷ついていく脳-」
村山 伸樹 (自然科学研究科教授) 「脳とコンピュータをつなぐ」

閉会あいさつ:原田 信志 医学薬学研究部長

Continue reading "脳科学の最前線"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ニューロエシックスの公開授業

熊本からは遠いところですが、公開授業をします。

6月20日(土)市民公開授業
「生命倫理学~ニューロエシックス(脳神経倫理学)」
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/event/2009/06/811800.html

玉井真理子さんにお声掛け頂いたのですが、初めてお会いする方も多く楽しみです。

Continue reading "ニューロエシックスの公開授業"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

【書評的紹介】「生命という価値」 その本質を問う

熊本大学の生命倫理研究会の新論集がようやく発刊されました。

「生命という価値」 その本質を問う (高橋隆雄・粂和彦編)

既に別のエントリーでは、少し紹介しましたが、ちょうど脳死臓器移植法改正が話題になっていますので、その話題に関係する部分を、少しご紹介します。目次は、文末に。哲学・倫理学というというと堅苦しい学問と思われがちで、まあ、半分くらいは難しい文もありますが、多彩な視点で面白い本になったと思います。この本の場合も、私は一円も儲かりませんが(笑)、お勧めです。

Continue reading "【書評的紹介】「生命という価値」 その本質を問う"

| | Comments (0) | TrackBack (1)

非専門家による社会的合理性~保健医療社会学会シンポジウム

熊本で開かれた日本保健医療社会学会のメインシンポジウムに参加してきました。

テーマは 「当事者からみる医療事故と保健医療社会学」ということで、豊田さん、勝村さん、加部さんが講演しました。豊田さんは、彼女の息子さんの理貴くんが不誠実な医療の結果亡くなった後から、勝村さん、加部さんとは10年来のおつきあいですが、3人まとまって、ナラティブな形で話を聞けたのは、非常に有意義でした。

3人の話で間違いなく共通していて、ほとんどの聴衆も同意したのは、医療の根本にあるべきなのは、「正直さ、誠実さ、真摯さ」という、ごく当たり前のことだということ。そして、それが医療者個人レベルでも、医療というシステムレベルでも、尊重(評価)され、実践されるべきだということです。

その点をコメンテーターの朝倉先生が、まとめたのが、標題の「非専門家による社会的合理性」という言葉です。さすが、社会学者として、素晴らしい表現と思いました。

Continue reading "非専門家による社会的合理性~保健医療社会学会シンポジウム"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

意識に上るとは、どういうことか? 脳神経科学と自己

先日のセミナーの内容の簡単なご紹介です。

話された内容も書いたつもりですが、感想だったり、ぼくの意見・解釈だったりが多いので、あくまで私的まとめです。なお、メモを書き込んだ汚いものですが、当日配布されたレジメもアップしておきます。
PDFファイル(約600Kbyte)です。
「熊大・東大合同セミナーレジメ.pdf」をダウンロード

Continue reading "意識に上るとは、どういうことか? 脳神経科学と自己"

| | Comments (2) | TrackBack (0)

意識に上るとは、どういうことか?

なんだか当たり前そうな、でも、とてもつもなく難しそうな、タイトルの話をします。
内容は、次のエントリーに書きました。

熊大・東大合同セミナー「脳神経倫理学を中心とする生命倫理」
・日時:2009年5月9日(土) 12時30分~18時30分
・会場:熊本大学くすの木会館レセプションルーム(黒髪北地区)

Continue reading "意識に上るとは、どういうことか?"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

認知的エンハスメント Nature誌の記事について

ニューロエシックスの課題の中で、最も重要なことの一つが、12月11日号のNature誌で話題になっていました。全文が、誰でもPDFで読めます。また、私は記事が発表された日に、偶然アメリカにいましたが、テレビの朝のニュースでも取り上げていたので、反響も影響も大きいと思います。

Towards responsible use of cognitive-enhancing drugs by the healthy
Nature , | doi:10.1038/456702a; Published online 7 December 2008
Henry Greely, Barbara Sahakian, John Harris, Ronald C. Kessler, Michael Gazzaniga, Philip Campbell & Martha J. Farah

Continue reading "認知的エンハスメント Nature誌の記事について"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

脳神経倫理学:ニューロエシックス

2年前から取り組んでいて、後書きを書いたのは3月だったのに(・・・orz)
とても時間がかかり、こんなに遅くなってしまいましたが、ニューロエシックスの
世界でも最初の教科書的な本を監訳出版しました。

脳神経倫理学 Neuroethics  篠原出版新社 6500円
http://www.shinoharashinsha.co.jp/Books2.aspx?PID=211&PNO=-1

Continue reading "脳神経倫理学:ニューロエシックス"

| | Comments (0) | TrackBack (1)

合理的とはどういうことか?#3

合理的とはどういうことか ~愚かさと弱さの哲学~
 (岡部勉著・講談社選書・メチエ ¥1500)

さて、ぼくの疑問と感想です。多くの部分で納得できたのですが、今回はレビューということで、敢えて少し異議があった部分を中心にコメントしました。当日は、あまりうまく説明できなかったのですが・・・

疑問で最大のものは、「価値」に関する部分で、本当にある状況下で(熟考すれば)最も合理的で合意が形成できるような、一つの答や、「価値」が存在するのかどうか・・・岡部先生は、実在論の立場で、ぼくも、そうであれば良いという願望はありますが、確信はもてないし、納得はできないということでしょうか・・・

Continue reading "合理的とはどういうことか?#3"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

合理的とはどういうことか?#2

合理的とはどういうことか ~愚かさと弱さの哲学~
 (岡部勉著・講談社選書・メチエ ¥1500)

最初に、岡部先生が概要を説明しましたが、冒頭で、本書のタイトルは、もともとは「合理的であるとは、どういうことか?」だったのに、編集者が、「合理的とは・・・」に変えてしまい、自分としては納得しがたかったのだけど、タイトルをつける権利は著者にはないようで、結局、説得されてしまい、こうなってしまったそうです。

少しでも哲学をかじったことがあれば、「合理的(なこと)」と「合理的であること」の違いの大きさは、本が何冊も書けてしまうレベルだと思うでしょうし、残念ながら(?)私もその感覚がわかるようになってしまいましたが、とりあえず、そこはスルーします。違いのわかる方は、この本は、「合理的であること」について書かれた本だと理解して下さい。

Continue reading "合理的とはどういうことか?#2"

| | Comments (1) | TrackBack (0)

合理的とはどういうことか?#1

3月16日に、熊大の岡部勉先生の著作「合理的とはどういうことか?」のピアレビュー会に参加させてもらいました。とても刺激になりました。「合理性」あるいは「理性」というのは、哲学では永遠のテーマですが、誰でも一度は考えたことがあることでしょう。何回かにわけて、このテーマで書いてみます。

とりあえず、熊大のHPにも、コミ情のHPにもイベント案内がなかったので、まずは当日の紹介。

Continue reading "合理的とはどういうことか?#1"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

自死という生き方:覚悟して逝った哲学者(書評) :哲学の終末期

死のとらえ方・・・死生観は、人生観でもあります。もちろん、若い間は「自分の死」を意識する必要性はありませんが、「人は誰でもいつか死ぬ」という事実を本当に理解するのが、子どもが大人になることだと、ぼくは考えています。それが、ぼく自身は小学校4年生の時だったと、はっきり覚えています。実は、きっかけが何だったのかは、さっぱり覚えていないのですが、自分も、自分の家族も必ずいつか死ぬのだと思うと、何しろ悲しくて悲しくて、大泣きしながら眠ったことだけは確かです。と言っても、翌日は、全く元気に小学校に行ったのですが・・・
最近は65歳より前に死ぬ確率は5%以下と聞いたことがあります生命表によると男性13%程度、女性は7%程度(40歳前に死ぬ確率は2~3%)ですから、それよりも若い間は、とりあえず死ぬことなどは仮定せず、人生があたかも永遠に続くかのように思いながら生きるのが良いのかもしれません。でも、やはり自分の死や、家族・友人との死別ということを、常に、または、時々は考えながら生きた方が、毎日が充実するという考え方もあるでしょう。

先日、地元の新聞のコラムにこんな記事が載りました。そのうち読めなくなっちゃうので、引用します。

Continue reading "自死という生き方:覚悟して逝った哲学者(書評) :哲学の終末期"

| | Comments (0) | TrackBack (1)

医療における医学と倫理

これは、メディカルトリビューンという業界紙?のリレーエッセイに書いた文のタイトルです。昨年2006年12月28日号に掲載されましたが、10月のシンポジウムでも同じタイトルで話しました。その時は、とても「倫理」のレベルに到達しない話で終始しましたが・・・

20年前には、医師患者関係には対等性がもっとも重要だと考えていましたが、最近は何よりも信頼が大切なんだろうと考えています。もちろん医師側にも患者側にも対等だと考える気持ちがなければ、信頼関係など作りえないので、どちらが重要というものではありませんが、「信頼」というものを、今後はきちんと考え直してみたいと思っています。

以下、そのエッセイです。

<追記>
この内容を中心に、熊本大学の生命倫理研究会から出版した「日本の生命倫理:その回顧と展望」に文章を書きました。下記で、全文読めます。

熊本大学生命倫理論集1
日本の生命倫理 ~回顧と展望~
第4章 医師・患者関係の変遷
http://www.k-net.org/rinri1.html

Continue reading "医療における医学と倫理"

| | Comments (2) | TrackBack (0)

科学でも理性でもない・・・

ぼやきですが・・・
延命治療の中止に関する議論が華やかなようです。羽幌病院で呼吸器を止めた医師は起訴猶予になり、同業者としては良かったと思う一方で、グレーゾーンが広がって、現場では困るケースも増えそうです。普通の意味で良い人が、普通の良い人がするべきと思われるレベルの行為をして、殺人罪で罰せられるとしたら、それを普通としてきた社会なり教育なりが悪いです。ですから、それが普通であってはいけないと思う人は、社会なり教育なりを変えていかなければいけないわけで、普通の個人を罰するところに問題を落としてもなあと思います。
ただ、ある人は、「呼吸器を(敢えて)つけない」ことと、「一度つけた呼吸器をはずす(止める)」ことは、同等だと言います。確かに、『理性』的に考えると、そうかもしれません。しかし、『感情』的にはどうでしょうか?
また別の人は、「意識がないのなら苦しくはないのだから、苦しそうに見えて可哀想だから呼吸器をはずすのは間違っている」と言います。確かに、『理性』的に考えると、そうかもしれません。しかし、『感情』的にはどうでしょうか?
ダマシオ的には、ここは『感情』ではなくて、『情動』とすべきですが、『情動』には、科学的にも理性的にも理由づけできないのではないでしょうか・・・
以下、議論が飛躍しますが、単なるぼやきですから、お許しを・・・

Continue reading "科学でも理性でもない・・・"

| | Comments (3) | TrackBack (0)

熊本大学生命倫理研究会の予定

2006年 3月までの予定です。

☆☆☆ ☆☆☆

・2月18日(土)午後3時~
杉田正樹氏(関東学院大学人間環境学部教授)
「経済倫理の現在--信頼をめぐって」
      
磯部哲氏(獨協大学法学部助教授)
「フランス生命倫理:尊厳と連帯」(仮)
於:文・法学部棟北側1階 第4・5会議室
    懇親会:くすの木会館和室

・3月18日(土)午後3時~
   西村高宏氏(神戸学院大学人文学部非常勤講師
大阪大学大学院医学系研究科(医の倫理学)教務補佐)
   「日本における『医師の職業倫理』の現状とその課題」
    於:文・法学部棟北側1階 第4・5会議室
     懇親会:くすの木会館和室

※講演会はすべて参加無料です。懇親会のみ参加費が別途必要ですのでお申し込みください。
※熊本大学生命倫理研究会のHPを作りました。こちらもご利用下さい。
http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/takahashi/ResearchGroup/researchgroup.html
申し込み先メールアドレスも、上記からお調べ下さい。

○熊本大学黒髪キャンパスまでのアクセス
〔市営バス〕-交通センターから、竜田口線・楠線「熊本大学前」下車(子1/子17)
〔産交バス〕-阿蘇・大津・武蔵ヶ丘方面行き「熊本大学前」下車(子7~9/子18)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

エイズ学会の歴史的なシンポ

血液エイズの教訓・・・混乱と戦いの後に見えてくる真実を語りあう・・・

歴史的なシンポジウムが熊本で開かれました。第19回日本エイズ学会学術集会の「薬害エイズ問題から見えてくるもの」。今回の座長の三間屋医師は、昨年のエイズ学会の学会長でした。その昨年の会で、この学会としては初めて、薬害エイズ問題の反省を正面から取り上げた会長シンポジウムを開き、今回はその続きの2回目です。しかし、今回は、東京訴訟の中心となった川田龍平さんと、行政側の中心にいた郡司篤晃さんが、同じ席で話すということで、昨晩、花井さんから、この会の意義も聞いていましたし、関係者にとっても意義深い会だったと思います。以下に、簡単に内容を紹介します。

Continue reading "エイズ学会の歴史的なシンポ"

| | Comments (0) | TrackBack (1)

エイズ学会のシンポのパネリスト一覧

2004年と、2005年のシンポのパネリスト一覧

●2004年12 月9 日(木) 17 : 00~20 : 00 ■会場:第1 会場(1 階中ホール・大地)
HIV 感染症と血友病 ―回顧と展望―
座長 三間屋純一(静岡県立子ども病院) 福武勝幸(東京医科大学)
http://aidsgk18.umin.jp/prog_tokubetu.pdf

西田恭治(東京医科大学) 「医療の視点から」
出河雅彦(朝日新聞社編集委員) 「報道の視点から」
徳永信一(大阪HIV 訴訟弁護団弁護士) 「司法の視点から」
花井十伍(大阪HIV 訴訟原告団代表) 「元原告の視点から」
北村健太郎(立命館大学先端総合学術研究科) 「社会学の視点から」
大西赤人(むさしのヘモフィリア友の会副会長) 「血友病友の会の視点から」
草田央(LAP) 「元支援者の視点から」


●2005年12月2日 金  ■第2会場 16:50~18:30
薬害エイズ問題から見えてくるもの -医療安全の視点からの検証と教訓-
座長 三間屋純一(静岡県立こども病院)、田口 宏昭(熊本大学文学部)
http://square.umin.ac.jp/aids19/data/PDF/special_prog.pdf
徳永 信一 大阪HIV訴訟弁護団 「薬害エイズ神話の功罪」
川田 龍平 松本大学 「被害を繰り返さないために」
栗岡 幹英 奈良女子大学文学部  「社会学と薬害HIV事件の調査」  
白幡  聡 産業医科大学小児科 「薬害回避への提言 -医療者の立場から-」
郡司 篤晃 聖学院大学 「HIV問題から何を学ぶべきか」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

熊大生命倫理研究会の今後の予定

>>>>>
・9月10日(土)  浅井篤先生 「医療の対象(医学的適応)について」 
  午後1時から くすの木会館レセプションルーム  
  午後6時から 懇親会 くすの木会館和室   
 
・10月15日(土) 北村俊則先生 「医療における患者の自己決定権-社会心理学的視点から-」 
  午後2時から くすの木会館レセプションルーム
  午後6時から 懇親会 くすの木会館和室

・11月12日(土) 粂和彦先生 「ニューロエシックスとは
  午後2時から 文・法学部第4・5会議室
  午後6時から 懇親会 くすの木会館和室 

・12月11日(日) シンポジウム「日本の生命倫理:回顧と展望」(規模の少し大きなもの)
  午後1時から  くすの木会館レセプションルーム
  午後6時から  くすの木会館和室
  倫理学系・法学系・社会学系・生命科学系等からパネリストの人選中
  ●立岩真也さん(京都民医連中央病院の外部倫理委員のひとり)は、ほぼ確定。

>>>>>>
これと別枠ですが、

第45回 熊本大学「知のフロンティア講座」
 熊本大学における最先端の研究情報を、わかりやすくお伝えする講演会

脳の中の時計と、睡眠の話
 粂 和彦(発生医学研究センター 助教授・医学博士)

平成17年9月17日(土曜日)
開場:午後1時30分
開講:午後2時~3時30分
場所:熊本大学文学部法学部B3教室

睡眠は、私たちにとって、とても身近な現象ですが、科学的には、実は、まだわからないことだらけです。というのも、人間の脳の最も重要な機能である、意識と心を生み出す働きそのものが、現代科学にとっても、未解明だからです。
 ところが、最近、睡眠を制御している脳の中の時計・・・つまり、体内時計の研究が急速に進んだ結果、予想外のことがわかりました。体内時計の遺伝子は、進化的には大変遠い、昆虫と人間で、ほとんど同じだったのです。
今回は、分子生物学・・・つまり、生命現象を遺伝子の言葉で説明する学問の視点から、遺伝子がどのように脳の中の時計を作り出し時間を刻むか、その時計がどのように睡眠を制御するかなどを、わかりやすくお話しします。
 <参考> 講談社現代新書「時間の分子生物学 ~時計と睡眠の遺伝子 (粂 和彦著)」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

着床前診断について#4

着床前診断について#3に対して、産科医の立場からのコメントを頂いたので、編集して、ご紹介します。

>>>>>
着床前診断の適応となる疾患として、児玉先生は、習慣性流産と重篤な先天的遺伝性疾患の2つを挙げましたが、この二つとも、下記のような問題点があります。

Continue reading "着床前診断について#4"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

小浜逸郎さんの倫理

着床前診断の項で紹介した、小浜逸郎さんは、1947年横浜生まれで、横浜国立大学工学部卒業の「批評家」と、著書の紹介にある。「批評家」である小浜さんが書いた「倫理学」の本は、従来の倫理学書とは、かなり異なる切り口・・・現実に基づいて、それをどう倫理的に考えるのかという現実に立脚した視点・・・で書かれている。論理展開に疑問がある部分もあるが、私自身にはとても参考になる部分も多かった。一読を、お勧めする。ただし、参考になって勧めるということと、この本の内容や著者の志向性に、共感するかどうかは、別のことで、私自身の嗜好・志向とは、異なる点が多い。

なぜ人を殺してはいけないのか ~新しい倫理学のために
 小浜逸郎著
 洋泉社 新書y (680円)

「弱者」とはだれか
 小浜逸郎著
 PHP研究所 PHP新書  (657円)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

着床前診断について#3

以下に紹介したシンポジウムの簡単な感想である。なお、筆者による私的なまとめは、当日の話の内容を網羅していないため、より興味をもたれた方は、お2人の著書などを読むことを勧める。

Continue reading "着床前診断について#3"

| | Comments (0) | TrackBack (2)

着床前診断について#2

私も末席に名前を連ねる熊本大学の生命倫理研究会が主催して、2005年7月23日にシンポが行われた。本稿では、まず、シンポの案内のみ。感想は、次稿に書く。

>>>>>
 熊大拠点形成研究B「生命倫理を中心とする現代社会研究」プロジェクトと熊大生命倫理研究会では、長崎純心大学の宮川俊行先生と鹿屋体育大学の児玉正幸先生をお招きし、また教育学部の八幡英幸先生にも加わって頂き、着床前診断をめぐってのシンポジウムを開催いたします。

 宮川俊行先生は、著書に『安楽死の論理と倫理』(東京大学出版会、1979年)などがあり、トマス・アクィナスの研究家で、カトリックの立場から着床前診断に反対の立場を表明しておられます。

児玉正幸先生は、著書に『日本のこころを探る』(斯文堂、2002年)などあり、宮川先生とは対照的に、着床前診断にたいして非常にリベラルな容認派であられます。(筆者追加:新著『はじまった着床前診断』(大谷徹郎、遠藤直哉編著、はる書房、2005年)に、児玉先生の意見が詳しく記載されている。着床前診断を考えるには必読書。)

 さらに、熊大生命倫理研究会の論集1および論集3でもヒト胚の道徳的地位についての論文をお書きになった熊大教育学部の八幡先生にも参加して頂きますので、まさに三つ巴の、非常に内容の濃いシンポジウムとなるのではないかと思われます。賛成派と反対派が一堂に会しての非常に貴重なシンポジウムになると思われますので、是非お誘いあわせの上ご参加下さい。

日時:7月23日(土)13:00~
場所:くすのき会館レセプションルーム
テーマ:「着床前診断」

演者:児玉正幸先生(鹿屋体育大学体育学部伝統文化・スポーツ文科系教授)
    「日本の着床前診断略史、preembryoとembryo -ヒトの生命の始まり-」
  宮川俊行先生(長崎純心大学現代福祉学科教授)
「着床前診断の問題点-自然法倫理学の視点から-」   
   
コメンテーター:八幡英幸先生(熊本大学教育学部助教授) 
  司会   :田中朋弘先生(熊本大学文学部助教授)

>>>>>

感想は、次の記事に。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

着床前診断について覚書

先日(2005年5月20日)、日本小児神経学会というところで、お話させてもらった。残念ながら、参加はできなかったが、その学会で、その日、着床前診断について、シンポがあったので、少し、覚え書きを。私自身は、勉強中で、態度保留ということで・・・(^_^;)

その会では、慎重論が多かったそうなので、着床前診断に積極的な意見を。


●児玉正幸・鹿屋体育大教授(哲学)
http://www.nifs-k.ac.jp/tosyo/kenkyusya/kodama.html

読売の記事 20050515 (リンク切れ)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news_i/20050515so12.htm

 児玉正幸・鹿屋体育大教授(哲学)は「障害者への福祉の充実は必要だが、受精卵を選別しても、障害者の存在を否定することにはならない。受精卵は法で保護される『生命』に当たらず、生命の選別とも言えない」と述べた。これに対し、「受精卵は『生命の萌芽(ほうが)』とみなされており、生命の選別につながる可能性はある」との反論が起きた。

http://homepage2.nifty.com/endo-law/template/law_society_02.html


と、ここまで書いていたら、ボストンの友人が、「ボストンの日本語無料ミニコミ誌の広告欄に「卵子ドナー」を求める広告が出ていて驚いた。」と、教えてくれた。こんな感じ・・・

> ■日本人の卵子提供者募集■
> 切実に子供を望む不妊の御ご夫婦にご協力くださる方。
> 十分な報酬のほか必要経費支給。年令21才から32才、非喫煙者。要英会話。
> Christine or Liz at Robert Nichols Esq., P.C. at 781-769-6900
> www.robertnicholsesq.com

実際、不妊治療のことを、WEBで検索していると、アメリカの不妊クリニックの日本語ページが検索されることが多くて、驚くことが多い。たとえば、下記。

http://www.ifcbaby.net/n_about/aboutus.html

こういう時代なんでしょうね・・・

(この記事:まだまだ書きかけ・・・5/26)
(新たに項目を作って、続きを書くことに・・・7/25)


| | Comments (1) | TrackBack (0)