将来世代学の構想:脳神経科学の現在と将来
今年の3月に発刊された以下の本に論考を発表しましたが、なかなか紹介する機会がなく、今になってしまいました。
将来世代学の構想―幸福概念の再検討を軸として
前のエントリーで紹介した、生命倫理シンポジウムが開かれましたので、ご紹介します。タイトル全体は、以下です。
熊本から終末期医療を考えるシンポ「事例を通して死に関する倫理的な課題を考えよう」
目的:死にまつわる様々な事例を通して、死に向きあう際の倫理的課題を整理する。
ぼくは熊大の社会文化科学研究科にも所属していますが、その大学院生の上島佳代さんの論文の草稿を読ませてもらう機会がありました。彼女は、長い論文の中の一章として、プラセボ(偽薬)を取り上げていて、そこから、いろいろ学ばせてもらったことの一部です。
昨年6月、信州大学の「脳神経科学と社会」という題の講演で、『現代社会の中の「価値」を、脳科学が根本的に変えてしまう可能性は、ない。脳科学の進歩が私たちに伝えていることは、私たちが、私たち自身のことを、いかに、まだまだ知らないのかであり、その意味で、私たちは謙虚にならざるを得ないだろう。』と話しました。
2ヶ月ぶりになってしまいましたが、今日の講演会のご報告です。
http://www.gsscs.kumamoto-u.ac.jp/info/01.html#seminar
日時:平成21年8月8日(土) 13:00-17:00
場所: 熊本大学工学部百周年記念館
開会あいさつ:山村 研一 副学長
司会:高橋 隆雄 社会文化科学研究科長
積山 薫 (文学部教授) 「脳の不思議-柔らかな脳と適応する心-」
粂 和彦 (発生医学研究所准教授) 「脳科学は自由意志を否定するか」
友田 明美 (医学薬学研究部准教授) 「いやされない傷-児童虐待と傷ついていく脳-」
村山 伸樹 (自然科学研究科教授) 「脳とコンピュータをつなぐ」
閉会あいさつ:原田 信志 医学薬学研究部長
遅ればせながら、この授業で使った資料をアップします→ PDFファイルをダウンロード
熊本からは遠いところですが、公開授業をします。
6月20日(土)市民公開授業
「生命倫理学~ニューロエシックス(脳神経倫理学)」
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/event/2009/06/811800.html
玉井真理子さんにお声掛け頂いたのですが、初めてお会いする方も多く楽しみです。
熊本大学の生命倫理研究会の新論集がようやく発刊されました。
「生命という価値」 その本質を問う (高橋隆雄・粂和彦編)
既に別のエントリーでは、少し紹介しましたが、ちょうど脳死臓器移植法改正が話題になっていますので、その話題に関係する部分を、少しご紹介します。目次は、文末に。哲学・倫理学というというと堅苦しい学問と思われがちで、まあ、半分くらいは難しい文もありますが、多彩な視点で面白い本になったと思います。この本の場合も、私は一円も儲かりませんが(笑)、お勧めです。
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