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訃報:清水陽一先生、岡嶋道夫先生、辻本好子さん

本業ではないですが、ぼくが大切にしている医療関係の活動で親しくさせて頂いていた方の訃報が続きました。そして、友人の娘さん・・・仕事が超忙しく、気持ちの余裕がない日々で、こんなことがあっても、自分の気持ちの整理もつけられないため、個人的な感傷を、少し書きとめました。

●清水陽一先生:新葛飾病院院長 2011年6月19日逝去 (享年62才)

清水先生、岡嶋先生とは、10年来のおつきあいで、「患者のための医療」という雑誌で2002年から数年間、一緒に編集協力もしました。この雑誌は、採算上、数年で休刊になりましたが、振り返ってみると、たくさん勉強させて頂いたし、それなりの提言もできたと思います。そもそも、「患者のための医療」というタイトルは「当たり前すぎる」という批判があり、それでも、こんな題の雑誌を作る意味を感じたのは、つまり「患者のためではない医療」があるというのが、10年前の日本の医療に対する私たちの理解だったからです。そして、それが、今は、どうなったのか…

清水先生の功績の一つは、豊田郁子さんに活躍の場を作ってくれたことです。理貴君を失ったばかりの豊田さんと、初めて会ったのは、割り箸事故の杉野さんの裁判の傍聴でしたが、豊田さんがその後、ずっと頑張れたのは、清水先生と杉野さんのおかげだと思います。

患者側で証言したことのある医師は、他にももちろんたくさんいますが、あれだけ、どこでもはっきりと医学的な正論を、堂々と言える医師は、日本中探しても、ほとんどいません。代替の見つからない、本当にかけがえのない人を失くしたと思います。もうしばらく頑張って欲しかったです。8月6日に、仲間内の(と言っても200名の会とのことですが)お別れの会もあります。別件の先約があって、行けないのが残念です。

少し古いですが、ダンディーな写真のついた熊本の新聞の記事を紹介します。
http://qq.kumanichi.com/medical/2006/08/post-1253.php


●岡嶋道夫先生:東京医科歯科大学名誉教授 2011年6月9日逝去(1924年11月3日生 享年86才)

岡嶋先生は、もともと法医学者で、ドイツ語の知識を生かして、ドイツの医療制度の紹介をされていました。ぼくが、アメリカの医療制度について話すと、いつも「アメリカだけではなく、ドイツの良い点をもっと学べ」と教えて下さいました。なぜか、ぼくを非常に可愛がってくださって、東京でオフ会をする時には、いつも来て下さいました。ぼくにとっては父の世代でしたが、お話をお聞きできるのが嬉しかったです。最後にお目にかかったのも、一昨年のオフ会でした。御高齢とのことで、病気のことも、ご家族にしか告げられなかったそうで、ご連絡も一切お断りされていたそうです。ネット上には一切、訃報が報じられていませんので、お聞きした範囲で、ごく簡単に経過をお書きしますが、ご本人・ご家族の御意志ですので、直接ご連絡を取るのはご遠慮ください。

岡嶋先生は2010年9月に癌と診断されたそうです。下記のホームページを見ると、その秋に体調を理由に更新を中断すると書かれていますが、今年の2月にも更新をされていました。ちなみに、このホームページは、医師会と医学教育学会が永久保存してくれるとのことです。その後、年齢を考慮されて、治療は行わず、ホスピスに入院されて、すぐにお亡くなりになったそうです。最後は、奥さまと、ご一緒に一つのイヤホンを片方ずつを分け合い、オペラを聴いていらしたそうです。

医療に関連する外国の資料(翻訳)-主としてドイツ語圏からの集録-
http://www.hi-ho.ne.jp/okajimamic/


●辻本好子さん:コムル 2011年6月18日逝去(1948年生 享年62才)

辻本さんとも、10年来のおつきあいでしたが、初めて実際にお目にかかったのは、熊本で精神科のインフォームド・コンセントについて話してもらった時でした。「患者の権利」の活動をしている人は、何らかの意味での「当事者」であることが多いのですが、彼女は、その意味では、直接の当事者ではありません。そのため、コムルの活動は、勝村久司さんの表現を使えば、「オセロで、角を取りに行くのではなく、真ん中あたりを、なるべく白くするような活動」だったかと思います。その結果、医療側との相性は良いけれど、患者の当事者側からは甘いと批判されることも多かったでしょう。ただ、ぼくは、自分自身が、やはり自分は当事者ではなく、医療者としての視点から離れられない構造の中にいますので、辻本さんの立場と活動の意義には理解できるものがあり、支持してきました。彼女はコムルの長年の活動の中で、医療の問題点をたくさん学んで、それを自身の闘病生活の中でも体験したと思いますし、そのことを、もう一度お話したかったです。残念です。

コムルのブログ
http://coml-blog.cocolog-nifty.com/blog/cat21054534/


最後に、6月27日、友人の娘さんの高校3年生の、あゆみちゃん。17歳でした。うちの夫婦にとって、御両親とも、大学のサークルなどで学生時代から親しい先輩です。卒後は、お目にかかることもなかったのが、在米中に偶然1年ほど同じ町に住むことになり、家族ぐるみで親しくさせて頂きました。当時は、まだ小学生で、来年は大学という、人生で一番キラキラしている時期に、突然の急病で亡くなってしまいました。ぼくたちでさえ、まだ理解できないので、御家族の心中は想像するのも難しいです。これまで、たくさん弔電を打ってきたのですが、今回、初めて、「ご冥福をお祈りします」という言葉が書けませんでした。「冥福」という言葉の使い方が間違っているらしいこともありますが、そのような月並みな言葉が空虚すぎて・・・でも、書くことで、先に進める面もあるでしょう。危篤との最初の連絡を受けてから、今日でちょうど3週間、ここに、こうして書かせてもらうことで、ぼくもお別れをしますね。

昨日で、東北大震災から4ヶ月、あの地震と津波でも、たくさんの命が失われましたが、行方不明になっている人も多数です。遺体がないということは、特に、それが若い人だったら、どのように喪失の事実を受け入れるのか、本当に難しいだろうと思います。

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Comments

清水先生は大学の先輩で同じ地区医師会に所属していたことがあります。もっと、いろいろと教わっておけばよかったと思いました。岡嶋先生はドイツの医療制度に関して、ネット上ですが、沢山のことをお教えいただきました。辻本さんは、最初にお会いしたのは東大の医療関係の講座でした。いつもにこやかで、「患者が悪いときもある」という真摯な姿勢でした。コムルは、患者のための会であると思っていましたが、真に中立的な立場であったと思います。ご冥福をお祈りします。

Posted by: 蓮沼 剛 | 2011.07.13 at 09:10 AM

岡嶋先生とはネットでいろいろ、時にオフ会でご指導いただきました。
米国の医療ともつないでいただいたり・・・
惜しい人がまた1人いなくなりました・・

Posted by: 杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科 | 2011.07.19 at 11:37 AM

新聞で清水先生の訃報を知りました。先日中学校勤務の同僚が私に新聞の切り抜きを送ってくれました。惜しい方が亡くなられたこと、誠に残念に思います。私は平成18年の12月に左腰の痛み(L4・5の左神経根への軽い圧迫)の治療のために、兵庫県の病院で、手術を受けたのですが、主治医が事前説明で、新式術式を使ってみるという話をされず、また、麻痺や血腫の話も一切されず、安心して手術台に乗りました。通院も一人で出来ていましたし、勤務復帰をめざし思い切って、医師の勧めを受けました。しかし、結果的に韓国の病院で見学してきただけの術式を試されたため、チタン挿入にも失敗され、骨の外の神経にチタンが当たる誤挿入のまま、激痛となりました。また、ドレーンの不調を知りつつ、体内で大量の血液を溜められ、1週間以内に特に右足が麻痺しました。
腰も臀部も同じく。左側も悪化。1週間、一睡も出来ない状態で、緊急ドクターコールも数度出しましたが、主治医は来ず、研修医は
手術で侵襲したせいだと断定。結果的に再手術で血腫を除去したのが7日目で手遅れ気味となりました。不全麻痺の後遺症など やチタンの誤挿入の神経接触の激痛で、生きた心地もせず、、
必死で院内で主治医に主訴しましたが、メンタルのせいだろうと酷いことを言われました。医療過誤に清水先生のように、取り組んで下さる先生をもしご存知でしたら、、お教えいただければ嬉しく存じます。 大阪の星降る子

Posted by: 星降る子 | 2011.11.16 at 01:44 AM

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