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震災支援:放射性物質の拡散の様子

東大の早野先生のグループが、福島原発からの放射性物質の拡散についてのシミュレーションを発表されました。非常に説得力があるものです。是非、ご覧下さい。

ここから学べる一番重要なことは、原発からの距離とは、ほとんど関係がないということです。ですから、現在、屋内退避指示されている20~30km圏でも、放射線密度の低い地域(いわき市や相馬市)に入ることは、何の問題もないし、そこに入った人を「区別」する合理的な理由は皆無というわけです(そもそも「差別」する理由はなかったわけですが)。

ツイッターのまとめ
http://togetter.com/li/119437

キーとなる図
http://plixi.com/photos/original/89195331

補足ですが、これはあくまで発表されたデータと気象庁などのデータによるシミュレーションであり、これまでの出来事をよく説明しているとはいえ、科学的には一つの仮説です。今後、種々の検証が必要です。

それにしても(このシミュレーションが正しいとすれば)、運が悪ければ、東京などに降った可能性があったわけです。その場合も、直接の健康被害は考えにくいですが、最も影響の大きい最悪の可能性としては、水源地帯にまともに雨が降って、しばらくの間、水道水が基準値以上を示して、今以上の水不足パニックが起きたかもしれません。

距離が遠くても、濃度が濃い地点ができるというチェルノブイリの教訓を、学びなおした感じがします。直接の飛散という意味では、今の20km圏の避難指示で良いとしても、最初の水素爆発で吹き上げられた放射性物質の量が多ければ、かなり遠い場所でも避難・屋外退避が必要になった可能性があったわけです。ぼく自身のブログでも、原子炉がむき出しになって、火事が起きて、燃料がどんどん巻き上げられたチェルノブイリとは異なると書いてきたのですが、最初の水素爆発の時に、既に、こんなに大量の放射性物質が遠方まで撒き散らされていたとは考えていませんでした。認識を改めました。20km圏の避難で充分というのは、ぼくが記事を最初に書いた3月19日時点では結果的に正しかったのですが、運が良かっただけのようです。

その意味で、下記のニュースにあるデータなどは、早野先生のシミュレーションが公開された今では、外国のものも含めて、きちんと検証して、公開していくべきだと思います。

国 放射性物質の予測公表せず
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110404/t10015080851000.html

福島第一原子力発電所の事故で、国は、爆発が起きた翌日の先月16日、原発の北西にある福島県飯舘村などに放射性物質が多く流れると予測したコンピューターシミュレーションの報告を受けましたが、「データが正確でない」として公表を見送っていました。こうした予測データの公表の在り方を巡ってはさまざまな意見があり、今後検討の対象になりそうです。

この予測は、先月14日から15日にかけて、福島第一原発で爆発などが相次いだことを受け、国の委託を受けた分析機関が翌日の16日に「SPEEDI」というコンピューターシステムを使い、計算されました。このシステムは、原子炉の温度や圧力などさまざまなデータを基に、原発から放出された放射性物質の量を見積もり、気象データなどから放射性物質の広がりを予測するものです。分析機関では、震災で原子炉のデータが十分に得られないため、その時点で公表されているデータなどを基に、放射性物質の放出量を仮定し、15日の午前0時から24時間にわたって放出されたと想定しました。その結果、放射性物質は南西の方向に加えて飯舘村など北西の方向にも帯状に流れ、こうした地域では屋外で24時間過ごした場合に、乳幼児が受ける甲状腺の内部被ばくの量が人体に影響が出る可能性があるとされる100ミリシーベルトを超える所があるとしていました。SPEEDIは、原子力事故が起きた際に放射性物質の広がりを予測し、政府が避難や屋内退避の指示などを決める際の判断材料にするために作られたものですが、この予測は公表が見送られました。これについて国の原子力安全委員会は「その時点では、放射性物質が放出された場所や量などが特定できておらず、データが正確ではないため公表しなかった」としています。一方、被ばく医療に詳しい長崎大学の長瀧重信名誉教授は「国は、どれぐらいの被ばくが予想され、どれぐらいの危険があるかをもっと公表し、住民と共に避難などの対策を決めるべきだ」と話すなど、今回のような予測データの公表の在り方を巡ってはさまざまな意見があり、今後検討の対象になりそうです。

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