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退任・卒業の季節:崎元学長、学生・・・息子

この季節は忙しくて、なかなか書き込む時間がありませんでしたので、いろいろまとめて・・・

今日(3月26日)は、熊本大学の崎元達郎学長の退任記念講演+パーティでした。(「さき」元先生の、「さき」は崎の右側の「大」が「立」の「﨑」が正しいですが、マックなどだと表示されませんので、崎で代用します) 

崎元先生が学長になって6年半、うちの夫婦が熊本大学に赴任したのが7年前ですから、ほとんど崎元学長の時代に仕事をしてきたことになります。

崎元先生が学長になった当時、国立大学は法人化前夜で、ぼく自身は当時・副学長で広報・将来戦略?担当だった平山忠一副学長に「召喚?」されて、彼の直属のワーキング・グループで熊大の広報を4年ほど手伝いました。予想外に大変でしたが、これまで知らない分野の勉強もでき、人脈も広がり、楽しい経験でした。また、かみさんも、昨年からは学長特別補佐をさせてもらっています。そのため、熊大くらい大きい組織だと普通はあまり大学そのものの運営に関与できる機会は少ないのですが、多少は貢献できたと思います。また、崎元先生には、ぼくがSSH指導員をしている鹿児島の池田高校に講演に来て頂くことができて、大変お世話にもなりました。多分、学長時代は忙しすぎて、あんな感じで高校生に学問を語る機会は少なかったのではないかと思いますので、学長の専門の「橋」の話を聞くことができたのも、ぼくにとってはラッキーでした。崎元先生の時代は、学長職がもっとも大変だった激動の時代で、それを斜めからですが、見させて頂くことができたは良い経験でした。

時間が戻りますが、3月6日は薬学部長の小田切優先生の退官記念講演でした。ぼくは、学部長としての小田切先生しか知らなかったので、研究者としての講演を本当に楽しそうにされているのを聞けたのは、同じ研究者として、非常に嬉しかったです。懇親会で、学長代理(?)の西山副学長が、「専門外の者には、とてもついていけない話ばかりを、どんどんされるのを聞いていて、先生がいかに研究が好きか、よくわかりました」と冗談を言って、受けていましたが、まさにご自分の中では、学部長職はサイドワークだったのでしょう。まあ、とはいえ、小田切先生の在任期間は、薬学部の4年制から6年制の移行、大学院化(熊大は医学部と薬学部が研究部として合併した)など、崎元先生とは違う意味で、激動の時代で、サイドワークとしては大変過ぎる仕事だったと思います。お疲れさまでした。

さらに戻って、その前の3月4日は、熊大医学部の総合診療部の木川和彦教授、解剖学の児玉公道教授、公衆衛生の上田厚教授の退職記念講演会でした。木川先生は、もともとアカデミーではなく、市中病院で臨床をずっとされてきた先生で10年前に熊本大学に赴任されました。そして、医学教育と総合診療という、旧態の医学部では重視されなかった部分を担当されて、臨床前教育改革(CBT+OSCEの導入)、臨床研修必修化への対応など、これまた医療制度改革の激動の時代を過ごされました。彼の作った「クリクラナビ」という教科書は、現在、全国で多くの医学生が使っています。こうやって見てみると、どの分野も、この数年は変化が大きかったようです。

児玉教授の学問的な話を聞くのは、実は今回が初めてでしたが、非常に面白かったです。特にマクロの解剖実習を丁寧に進める中から、さまざまなdeviationを見つけて、それを動物などの比較解剖学的に追求していくという方法論は、博物学そのもので、ぼくが一番最初に教えを受けた養老孟司先生の世界でした。養老先生も、当時は「ジャコウネズミは下腿の筋肉が一本多いんだよ。不思議だよね。面白いよね。」って言ってました・・・学生教育に熱心で、学生から慕われる(怖がられもしていたようですが・・・)理由もよくわかりました。

上田先生とも、いろいろご一緒することはあったのですが、研究の話をお聞きしたのは初めてで、やはり感銘深い話でした。特に労働現場での保健・衛生というのは、病院で病気だけを診ている我々のような医師には、なかなか手が出せない部分ですが、医療としても重要だということを実感しました。退官後もNPOを作って、アカデミーと現場をつなぐような仕事をされるとのことで、大変勉強になりました。

退官講義というのは、どんな分野であれ、多くの時間をかけた仕事が凝縮されて、自分の仕事と関係はなくても非常に面白いものなのに、熊大では聴衆が意外に少ないのは、何だか、とても勿体ない気がします。

そういえば、前学長の江口吾朗先生が瑞宝重光章をもらい、1月26日に、そのパーティもありました。お目にかかるのは、久しぶりで、お目出度さよりも、奥さまが亡くなられたことの方が気になる会でしたし、その日は主役だったので、お話する時間があまりありませんでした。今日の崎元先生のパーティでもお目にかかることができたので、いろいろお聞きしたところ、イモリの遺伝学を今でも続けていらっしゃるとのこと。来年くらいには、久しぶりに論文も書きたいとのことですし、大きな手術を乗り越えられたそうですが、お元気そうで何よりでした。それにしても、科学を楽しめるというのは、いいですね。


前後しますが、うちの学生さんたちも卒業の季節で、先週送別会をして、昨日が卒業式でした。今年の修士は二人とも臨床検査技師で、卒後就職していきますし、昨年卒業して1年間、研究員として実験を手伝ってもらった人も、別のラボに就職です。

あと・・・長男も東大(理2)に合格したので、4月には家を出ます。

例年よりも10日くらい早く、桜が満開になった熊本で、別れの多い、なんとなく淋しい春です。

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Comments

春らしく、穏やかで温かい記事ですね。
私も2年くらい前から自分の大学の学長と直接お話をする機会が増えてきて、職員さんを含めて大学を支える色々な人の思いに触れることが多くなってきましたが、皆さんとても一生懸命で、大学も悪い方ばかりに向かっている訳じゃないと思います。

お子さんの東大合格もすごいですね。東京出張の宿泊先が出来たと思えば淋しくないかも。

Posted by: bloom | 2009.03.28 05:04 PM

コメント、ありがとうございます。
自分の出身校が甲子園に出たら、応援する人がほとんどだと思いますし、オリンピックやWBCも日本を応援する人が多いですが、私立の一部を除けば、多くの大学は、そのような帰属意識が希薄ですね。研究者は他大学の同じ分野の人たちの方が近しいですし、異動も日常的ですから。でも、やはり組織としての大学に、一定の貢献をするべきだろうと思います。
子どものことは、「親の心、子知らず」という言葉の意味が、今になってわかりました。

Posted by: オーナー | 2009.03.30 10:21 PM

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