« 糖尿病医学の進歩 | Main | 書籍紹介:ゆっくりていねいにつながりたい »

桑山紀彦医師と中東紛争

今朝、少し寝坊してNHKラジオを聞いていたら、桑山紀彦医師のインタビューを放送していました。岐阜県出身で、ぼくと同じ87年に医師になったとのことで、とても親近感がありましたし、メモしておきます。

彼は、これまでさまざまな国際医療支援を続けてきた人ですが、最近も空爆が始まった後のガザに入ったそうです。彼のさまざまな経験の中でも、本当に戦闘が近くで起きている地域に入ったのは初めてのことだったそうで、大変な状況を目の当たりにしてきたそうです。

桑山医師のNPO 「地球のステージ」
http://www.e-stageone.org/

彼は精神科医ですし、近くに爆弾が飛び交い、友人が殺されたりする場にいる子どもたちの心について、とても心配をしていました。

また、帰国する時に二つのことを言われたというのが、印象に残りました。

まず、彼に対する感謝で、遠い日本から自分たちのことを心配して来てくれた人がいるということは、ガザの人にとって、かけがえのない心の支えになったということ。そして、日本に帰国したら、こちらの様子を多くの人に知らせて欲しい、それは同情をして欲しいとかイスラエルを批判して欲しいということではなく、自分たちがもっとも恐れるのは、他の国の人から忘れられてしまうことだからだ、ということでした。

自分が、そこにいるということだけで感謝されること、それは自分の存在そのものに肯定感を与えることですから、桑山医師もやりがいがあるのでしょうね。

目の前を爆弾が落ちてくるという話から、私の母から聞いた名古屋の空襲の話を思い出しました。母の家は、名古屋の中心にあり、そばに則武チャイナ(日本陶器)の大きな工場と煙突があります。最初の空襲では、そこが標的にされたので、自分の家の回りは焼け野原になったそうです。空襲が始まり、家の地下の防空壕に入ったけれど、そこでは危ないということで、当時10歳の母は、同世代の従妹と一緒に数キロ離れた別の親戚の家まで走ったそうです。しっかり者だったので、父親が預金通帳や印鑑などの貴重品をまとめていた袋を肩からかけて、焼夷弾が落ちてくる中を走ったのだそうです。

私たちの世代も、もう少し、戦争に対してセンシティブになるべきですね。しかし、桑山医師も言ってましたが、中東の問題は、本当に長く続いて修復が難しく、これを乗り越えたときに、初めて人類は新しい時代に入れると思います。ノーベル賞を受賞した益山先生(だったと思います)が、あと200年もしたら、完全に戦争のない世界になる(あるいは、そうしなければならない)と書いていらっしゃいましたが、われわれも生きている間にできることはしていきたいですね。


「爆撃、常に身体は緊張」ガザ入り桑山医師、惨状伝える(以下のURLより引用)
http://www.asahi.com/international/update/0117/TKY200901170096.html

2009年1月17日14時8分

 【ラファ(エジプト・ガザ境界)=田井中雅人】病院に運ばれた少年の遺体に泣きすがる母親。砲撃で建物や道路が壊滅し、町は死にかけ、唯一の大きな人だかりは葬儀の列……。イスラエル軍の激しい攻撃が続くパレスチナ自治区ガザに入ったNPO法人「地球のステージ」代表理事の桑山紀彦医師(45)=山形県上山市=の目に飛び込んできたのは、圧倒的な暴力による市民惨殺の悲劇だった。

 桑山さんは現在、ガザで活動する唯一の日本人医師として、南端のラファ市立病院の救命救急室(ER)で緊急医療支援にあたる。空爆や砲撃のすきを縫って、救急車で近隣の病院に患者を搬送することもある。ガザ入りして3日目の17日、朝日新聞記者に電子メールで現地の様子を伝えてきた。

 ラファ住民らによると、町の銀行は閉まり、水と電気は地域によって完全に止まっているところも多い。食事用のガスボンベは入ってこず、薪を使って煮炊きをしている。

 住民らは攻撃が激しい境界に近い地域を離れて比較的安全な市中心部に逃れ、親族や知人の家に身を寄せる。主食のパンを作るための小麦が極端に不足。ペットボトルの水は姿を消したという。

 市立病院に16日に運ばれてきた即死状態の少年は、薪を拾っていたところを「ロケット弾を発射しようとしている」とイスラエル軍に誤認されての狙撃だった。頭部が撃たれ、脳が飛び出した遺体にすがり、母親は泣き崩れた。

 午後には別の通称「ヨーロッパ病院」に患者を搬送。イスラエルとの境界に近く、帰りの救急車を待っている時にも病院近くに爆撃があった。「戦争状態にいる感覚は一時も薄れることはない。爆撃の音や振動が、常に身体を緊張させている」と桑山さん。

 桑山さんを受け入れた福祉団体のダルウィーシュ氏は「世界中から見捨てられた気持ちだ。こんな非人道的なことが起きていることを、どうか世界中の人に分かってもらいたい」と話しているという。

|

« 糖尿病医学の進歩 | Main | 書籍紹介:ゆっくりていねいにつながりたい »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 桑山紀彦医師と中東紛争:

« 糖尿病医学の進歩 | Main | 書籍紹介:ゆっくりていねいにつながりたい »