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July 2008

覚醒障害4: まだ動機は不明

30日の東京新聞の夕刊に、このブログのコメントを載せてもらいました。

『夢で見たので刺した…』 15歳少女 見えぬ動機
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008073002000248.html

警察の方でも、「誘導にならないよう、本人に動機を語らせたい」と慎重に調べを進めている、とのことなので、一安心です。ぼくは、この子に会ったことも話したこともなく、警察の発表には伏せられた事実(病歴・家族歴)がある可能性もありますので、当然、診断ができるわけではなく、あくまで可能性として指摘しているだけですから、さまざまな可能性を含めてしっかり調べて欲しいです。医学的には、やはりきちんとした精神鑑定と、睡眠検査をなるべく早く行うと良いだろうと考えます。

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覚醒障害3: ねぼけの分類

共同通信の方が、このブログの内容を取り上げて下さって、地方紙の一部では今朝(7月26日)報道されました。1週間経つので、週刊誌などにも「推理記事」が掲載され始めてますし、「ねぼけ説」も、少し認知されるようになって欲しいと思います。

もし、覚醒状態で、ストレスが貯まって「切れてしまった」犯行なら、さまざまな深層心理や、家族内の問題なども検証しないといけないのですが、ぼくの考えが正しければ、それらはほとんど無意味です。ご家族にも、友人にも、刺された父親にも、もちろん本人にも、何も罪はなく、反省するべきことさえも何もないでしょう。

とても残念ではありますし、おそらく本人は一生自責の念にかられるでしょう。でも、自分が責任を持てない部分で起きたことです。「寝ぼけ」だったのなら、しかたない運命とあきらめて、是非、立ち直って、元の生活を続けて欲しいと願います。この事件は、全員が被害者で、加害者がいないし、改善しうる原因さえない事件の可能性が高いと思います。多くの人に割り切れないことですが・・・割り切れないことって、世の中には起こります。地震とかで被害にあった人と、ある意味では同じです。

以下、覚醒障害について、もう少し説明すると・・・

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覚醒障害2: 寝ぼけと殺人

事件から、ずいぶん経つのに、マスコミでは「動機探し」ばかりが続いているのですが、これまでの報道を全部読んでも、やはり、覚醒障害(錯乱性覚醒、混乱性覚醒=confusional arousals (ICSD2)、ICSD2 ICD-9 codeの327.41に対応)が原因だという確信を強くする一方です。まあ、マスコミに出てこない情報があるのかもしれませんけどね・・・

ぼく以外に、誰か指摘していないかと思って検索したら、下記のブログを見つけたので、引用させて頂きますね。やはり、日本でも前例が報告されていました。

http://ksei.exblog.jp/8349345/

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覚醒障害?中学3年生が父親を刺殺

昨日、中学3年生の女の子が、寝ている父親を刺し殺したというニュースがありました。
http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY200807190040.html

まだ詳細は不明ですが、直前まで一緒にカレーを作ったり、映画を見ていたりしたことや、発生した時間が午前3時頃で、もっとも熟睡していた時間だろうこと、本人も「夢を見ていた」「記憶がない」と話していることなどから、覚醒障害(寝ぼけ症状)の可能性があると思います。

日本では、これまでどの程度の例が報告されているか知りませんが、アメリカでは覚醒障害によると思われる殺人が数例報告されていますので、参考になります。

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インフルエンザ時の異常行動とタミフル

インフルエンザ時の異常行動について、1万例を超える調査結果が発表されました。研究デザインが不十分なので、得られた結論はグレーの部分もありますが、臨床診療上、大変に示唆的な部分が多いと思います。

(追記)全体へのリンクを追加しておきます。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/s0710-6.html

ただ、今回の解析で残念だったのは、タミフルとの因果関係について厚労省研究班が間違った数字を発表して、それを朝日新聞などが報道してしまったので、意味のない数字が一人歩きしたことです。

記事に出てくる、11.9%と、12.8%という数字の比較は、科学的に無意味です。
無意味な値で何か言っても、当然意味ないです。┐(´~`)┌
http://www.asahi.com/national/update/0710/TKY200807100366.html

その点について、批判をしたものが下記です。ご興味のある方はお読み下さい。
「Tamiful080716.pdf」をダウンロード

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Serge Daan 博士 と 地球温暖化

7月7日の七夕の日に、Serge Daan先生に発生研でセミナーをしてもらいました。

彼は、2年前に国際生物学賞を受賞した人で、今回も、毎年2名だけが選ばれる、JSPSの著名外国人研究者招聘事業で招待されて来日した機会に、熊本にお招きしました。

今回はラボのメンバーのプレゼンを聞く時間を作って頂き、その後は、奥さま(Ruth Hoheさん、ドイツ人、医師)と夕食もご一緒して、楽しく有意義な時間を過ごさせてもらいました。彼の業績が素晴らしいのは、もちろんですが、ご夫婦ともとてもフレンドリーで、このような機会を与えて頂けて有り難かったです。(北大の本間さと先生に大感謝です)

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