中井久夫:こんなとき私はどうしてきたか
医学書院には、「ケアをひらく」というシリーズがあります。
現在13冊ほど出ていて、ぼくは4冊ほど読んだだけですが、どれも魅力的で独特な本です。中でも、立岩さんのALS本は、文字通り圧巻です。ただ、本家・医学書院のホームページでは、シリーズとして並べらていないので、一度に紹介できませんが、それが、このシリーズの「広さ」を表しているのかもしれません。
その最新作、中井久夫先生の「こんなとき私はどうしてきたか」を読みました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4260004573/
なかなか良かったです。
講演を起こしたとのことで、読みやすい文章ですし、実際、中井先生がどう患者さんに語っているのかが、感じられる本でした。最初に患者さんに会った時に、どう話すか?というところから始まるのですが、途中では、患者さんが暴れた時に、どう対処するか?などが、写真入りで説明されたりしていて、なんだか当たり前すぎるようなの「こんな時、どうする?」という題名が、実は文字通りの意味を持つことがわかります。
精神科の患者さんに限らず、こんな風に対処してもらえたら納得ができるだろうなという部分も多いのですが、やはり精神科疾患の特徴を非常に鋭くとらえて、それをごく自然な形で対処されているなあと、感心する部分がたくさんありました。
ただ精神科医ではない私には、何よりも著者の語り口の優しさと、そこから垣間見える人間性に、心地よい読後感を持ったことが、読んで一番良かったことでした。
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Comments
中井先生が昔授業中に言われた言葉でよく思い出すものがあります。余命短い患者さんに「私もあとから行きますから」と告げると、患者さんが安らぐというものです。そんな気もするけれど、まだしっくりこない。この言葉のもつ威力は、自分が言われる立場になってはじめてしみじみわかることなのかもしれません。
Posted by: dayafter | 2007.08.07 10:41 PM