« 中井久夫:こんなとき私はどうしてきたか | Main | GoodWork Project »

高塚人志先生のセミナー

先週、この数年の念願がかなって、高塚人志先生のセミナーを受けることができました。噂に違わず、素敵なセミナーで、目からウロコのメッセージや気付きをたくさん得ることができました。高塚先生の授業の良さを、ぼくの拙い文章力で表現するのは無理そうなので、ご興味ある方は、この本を読んでみて下さい。

いのちを慈しむヒューマン・コミュニケーション授業 (大修館書店 )
http://www.amazon.co.jp/dp/4469266299/

ただ、彼の授業が素晴らしい、いくつかの間接的な証拠・・・

高塚先生は、体育学部を卒業した、高校の保健体育の先生でした。それが、3年前から鳥取大学の医学部で、准教授として、医学生に「コミュニケーション」を教えていらっしゃいます。ご本人でさえ、まさか自分が医学部で准教授になるなんて夢にも思わなかったそうです。そして、これが鳥大にとどまらず、各地に広がりつつあるそうですし、おそらく将来には医学教育の中に重要に位置づけられる気がします。

大学生にもなって、コミュニケーションを教える必要があるなんて、という意見もありそうですね。しかし、実際問題として、一昔前に比べると、家庭では核家族化・少子化、地域の関係の希薄化、学校では教師もサラリーマン化しているとされたり、子ども同士も昔のように泥遊び的なつきあいが少なくなるなど、子どもたちは、人との触れ合い方を学ぶ機会が減っています。特に真剣に叱られたり、真剣に喧嘩したりする機会は少ないのではないでしょうか?

また、高塚先生の先生の話を聞いていると、もしかしたら、医学生は「偏差値学力」と引き換えに、コミュニケーション能力は平均よりも劣る可能性も疑いますし、医学生が、たとえ充分に通常のコミュニケーションの能力を持っているとしても、医師として、更に高度なコミュニケーション能力をつけることが、悪いことのはずはありません。

高塚先生は、コミュニケーションを、お互いがより良く理解しあうことだというようにとらえて、そのために大切なことを、さまざまな経験の中から、自分自身で気付かせるような方向の授業をされます。鳥大では、医学部の1年生が1年間2コマ、必修で授業を受けているそうで、彼らをうらやましいと思うとともに、この世代の医師がどのように育つのか、今から楽しみです。

>>>>>

長いですが、彼のホームページから、一箇所だけ、引用させてもらいます。
(下記URLから、鳥取大学のコミュニケーション授業を開いて下さい)

http://hp1.tcbnet.ne.jp/~taka255/other/taikengakusyuu/taikengakusyuu.htm

5月17日火曜
今日は、記念すべき一日でした。

鳥取大学一年生が
4月からのコミュニケーション力を高める「気づきの体験学習」
などを終えて本日から乳幼児との交流に入りました。
まさに、気づきの体験学習で気づいたこと、
学んだことを乳幼児との継続的な交流から
より体験的に理解を深めるというものです。
7月中旬まで関わります。

3歳児と医学生は向き合って手遊び。
0歳児も腕に抱かれて気持ちよさそう。

ところが、2歳児担当学生は人見知りが激しい園児とご対面。
保育士から泣きじゃくっていて離れない園児達。

どうしていいかわからずじっと座り込む医学生。
なんとか声かけするけど知らん顔される医学生。
そっとからだに触れようとして手を差し出すと振り払われる医学生。
ときどき、うらやましそうに3歳児担当の仲間に目をやる学生。
でも、誰も助けてくれません。

しばらくして、保育士から園庭に出ようと声がかかる。
なんとか、泣きじゃくる園児を保育士から抱かせてもらう医学生だが
なかなか心開いてもらえない。

でも、一定の距離を保ちながらあの手この手と
あきらめず向き合う医学生。
たくさんのマスコミの方や三重県の高校から視察においでの先生方も
どう、これから関係をつくっていくかじっと見守っている。

どれほど時間がたっただろうか。
2歳児担当の多くがなんと園児と向き合えるようになっている。
マスコミの方や保育士、高校の先生たちは異口同音に
「すごいね」「やるね」と。

しかし、ひと組だけうまくいっていない。
どうしても医学生のお兄ちゃんに飛び込んでいけない女の子がいる。
みるからに医学生の表情はつらそうだ。
このままで終わると彼の心は来週までの一週間とてもつらいものになる。

少しでも関係が作れたらと思いながら見守っているが、お昼になった。
お別れの時間がきてしまった。
医学生は荷物を整理して玄関前に集合。

その時だ。
保育士が、その医学生の名前を呼ばれた。
なんと、泣きじゃくっていて医学生のお兄ちゃんに心開かなかった女の子が
サヨナラをするというのだ。

すぐさま、その彼に声をかけ、女の子のところに。
そこには、保育士の方と女の子が彼を待っていた。
思わず彼は人目はばからず涙ぐんだ。
涙が止まらなかった。
私は彼の背中に手を当てた。私も涙が出た。
医学生を集め、今日をふりかえった。
学生一人一人がたくましく思えた。
感動だった。

彼らのヒューマン・コミュニケーション実習の一回目は
こうして終わった。
これから7月まで
どんなドラマが待ち受けているか。
一人一人が大きく心揺さぶられた感動・感涙の一日が終わった。

|

« 中井久夫:こんなとき私はどうしてきたか | Main | GoodWork Project »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15474/16268562

Listed below are links to weblogs that reference 高塚人志先生のセミナー:

« 中井久夫:こんなとき私はどうしてきたか | Main | GoodWork Project »