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March 2006

裁判長の言葉

7年前に、4歳の杉野隼三(しゅんぞう)くんが綿菓子の割り箸による事故で亡くなった時の医療に関して、担当医が被告として刑事責任を問われていた裁判の一審判決が言い渡されました。

「予見義務や結果回避義務を怠った過失があるというべきであるが、過失と死亡との間の因果関係の存在については、合理的な疑いが残るので、被告人は本件業務上過失致死被告事件について無罪である。」との判決でした。

刑事裁判では、「疑わしきは罰せず」が原則です。「救命・延命可能性がきわめて低かった疑い」を裁判長が持った以上、妥当な判決だと考えます。


本日の朝日新聞の天声人語もこの件について取り上げています。
http://www.asahi.com/paper/column20060330.html

これも含めて、これまでの報道を読むと、この判決について、付言で裁判長が述べた言葉の断片が示されています。しかし、私が重要だと思った点を直接引用しているマスコミが、残念ながら少なく、がっかりしています。その部分を強調して、下記に、判決要旨の付言の部分を引用します。この部分は、被告側、検察・被害者側の双方の感情を解きほぐすようで、裁判長の人柄が見えるような名文だと思います。

(4月21日追記)
この判決について、検察側・遺族側・被告側、また法律家の立場からのいろいろな批判があります。特に因果関係の部分については、今回の要旨では簡単すぎて、判断の根拠が不明ですから、全文を早く読みたいという意見もあります。また付言は良い文だと思ったのですが、こんなところは評価するような部分ではないという意見もあります。その点について、元検事の方のブログを見つけましたので、こちらに紹介しておきます。

元検弁護士のつぶやき
http://www.yabelab.net/blog/2006/04/05-145002.php

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強制捜査が必要な場合

前の記事に書いた医師が逮捕された件は、起訴され公判が始まりました。今後の公判の中で、事実が明らかにされ、逮捕したことが正当だったのか、過失があったのかがわかるでしょう。この件に関しては、私はどちらの当事者も知りませんので、もう少し事実が明らかになってから、自分の意見を見直したいと思います。今のところ、公開された事故調査報告書の記載を信ずれば、医師側に過失があったとしても、逮捕して刑事責任を追及するレベルとは思えないという意見は変わりません。

ただし、報道された検察側の起訴状には、この報告書と異なる見解があったようです。

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