« July 2005 | Main | October 2005 »

August 2005

熊大生命倫理研究会の今後の予定

>>>>>
・9月10日(土)  浅井篤先生 「医療の対象(医学的適応)について」 
  午後1時から くすの木会館レセプションルーム  
  午後6時から 懇親会 くすの木会館和室   
 
・10月15日(土) 北村俊則先生 「医療における患者の自己決定権-社会心理学的視点から-」 
  午後2時から くすの木会館レセプションルーム
  午後6時から 懇親会 くすの木会館和室

・11月12日(土) 粂和彦先生 「ニューロエシックスとは
  午後2時から 文・法学部第4・5会議室
  午後6時から 懇親会 くすの木会館和室 

・12月11日(日) シンポジウム「日本の生命倫理:回顧と展望」(規模の少し大きなもの)
  午後1時から  くすの木会館レセプションルーム
  午後6時から  くすの木会館和室
  倫理学系・法学系・社会学系・生命科学系等からパネリストの人選中
  ●立岩真也さん(京都民医連中央病院の外部倫理委員のひとり)は、ほぼ確定。

>>>>>>
これと別枠ですが、

第45回 熊本大学「知のフロンティア講座」
 熊本大学における最先端の研究情報を、わかりやすくお伝えする講演会

脳の中の時計と、睡眠の話
 粂 和彦(発生医学研究センター 助教授・医学博士)

平成17年9月17日(土曜日)
開場:午後1時30分
開講:午後2時~3時30分
場所:熊本大学文学部法学部B3教室

睡眠は、私たちにとって、とても身近な現象ですが、科学的には、実は、まだわからないことだらけです。というのも、人間の脳の最も重要な機能である、意識と心を生み出す働きそのものが、現代科学にとっても、未解明だからです。
 ところが、最近、睡眠を制御している脳の中の時計・・・つまり、体内時計の研究が急速に進んだ結果、予想外のことがわかりました。体内時計の遺伝子は、進化的には大変遠い、昆虫と人間で、ほとんど同じだったのです。
今回は、分子生物学・・・つまり、生命現象を遺伝子の言葉で説明する学問の視点から、遺伝子がどのように脳の中の時計を作り出し時間を刻むか、その時計がどのように睡眠を制御するかなどを、わかりやすくお話しします。
 <参考> 講談社現代新書「時間の分子生物学 ~時計と睡眠の遺伝子 (粂 和彦著)」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ニューロエシックスとは

脳科学の進歩がもたらす可能性のある倫理問題を考える応用倫理学のひとつです。
21世紀の倫理学と言われています。今後、研究会に向けて、勉強を深める予定ですが、
たとえば、心の中を読めるようになったらどうなるか?
人格を操作したり、脳の能力をエンハンスできるようになった時に、どう考えるか?
脳の移植を、どう考えるか?などなど、の問題を考えていく学問です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

森岡正博さんのメッセージ

無痛文明論」以来、とても気になっているのが、大阪府立大学教授の森岡正博さん。
感じない男」は、読んでませんが話題は沸騰している様子。
先日、朝日新聞に投稿されていた短文には、本当に、強く共感しました。(下に引用)

余談ですが、その森岡さんが最近、困っているのが、同姓同名問題=>衆議院選挙候補者の森岡正宏さん。
http://www.m-morioka.com/
主義主張が、ほぼ180度異なる感じなので、多分、お互いに当惑することもあるでしょうね。どちらも、関西だし・・・


<<<森岡正博さんのメッセージ>>> 朝日新聞:2005年7月16日掲載

「考え続ける、自分に決着をつけるために。」 (記事のPDFファイルはこちら

Continue reading "森岡正博さんのメッセージ"

| | Comments (1) | TrackBack (0)

学力とゆとり教育

筑紫哲也さんが、世界でもトップクラスの学力を誇るフィンランドの子どもたちの夏休みを取材に行ったら、多くの子どもたちが、長い夏休みを、友達・家族と、自然の中で、過ごしていたそうだ。
一方、昨日のニュースによると、東京の葛飾区では、学力低下対策として、30時間の授業を追加して行えるように、夏休みを1週間短くしたそうだ。
文部科学省の人たち・・・あっ、実は、一昨年まで、私も文部科学省の職員だった・・・ではなくて、日本の子どもたちの学力低下はゆとり教育の悪影響だと考える人たちは、日本人の子どもは、フィンランドの子どもと同じだけの時間の教育では、(多分、漢字とかを覚える必要もあるため)、同じレベルの学力を与えることができないので、日本人の子どもたちは、短い夏休みと、放課後の塾が、必須だと考えているのだろうか・・・
うーん、よくわからない。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

メモ:脳と心:身体障害と精神障害

心が脳の産物であるとすれば、心の疾患は、本質的に脳の機能異常であり、身体疾患と、精神疾患の区別には、あまり意味がなくなる。区別したとしても、境界はグレーだ。
先日、受け取った、ナルコレプシーの患者会である「なるこ会」の会報によると、なるこ会では、ナルコレプシー患者を精神障害者と認定して、精神保健法32条による、医療費の公費負担を要望しているそうだ。
この病気は慢性疾患で、医療費の公費負担は大賛成だが、ナルコレプシー患者=精神障害者、と分類するのは、なんとなく違和感がある。しかし、では、統合失調症患者や、うつ病患者と、何が異なるのか、といわれると、また、はたと、悩んでしまう。つきつめて考えると、病気とは何か、障害とは何か、という根本的な問いに近づいてしまい、簡単に答えるわけにはいかなさそうだ。

(ということで、考え続けるためのタネとして、メモする)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

着床前診断について#4

着床前診断について#3に対して、産科医の立場からのコメントを頂いたので、編集して、ご紹介します。

>>>>>
着床前診断の適応となる疾患として、児玉先生は、習慣性流産と重篤な先天的遺伝性疾患の2つを挙げましたが、この二つとも、下記のような問題点があります。

Continue reading "着床前診断について#4"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

特別支援教育

昨年から、「熊大通信」という熊大の広報誌の編集委員をしていますが、今年の初めに、特別支援教育の記事を作りました。事前に、公開講座に3コマ出席し、4人の先生にインタビューに行き、かなり時間をかけ、自分でも勉強して作りましたので、是非、ご一読を。PDFファイルです。

なお、現場の学校の先生、福祉・障害関係の方、障害を持つ子の両親などからも、いろいろな話は聞きましたので、特別支援教育そのものに対する批判的な意見なども知っています。ただ、この記事は、何も知らない方への啓発のために作ったものと、お考え下さい。

地の文は、ライターさんが書いてくれましたが、タイトルと、最初の段落は、ぼくが書きました。

熊大通信vol.16 2005年4月 「知と社会vol.16」
http://www.kumamoto-u.ac.jp/contents/guide/kumatsu/016.html

特別な個性を持った子どもたち
 ~発達障害児に対する特別支援教育を考える~
http://www.kumamoto-u.ac.jp/contents/guide/kumatsu/016-04.PDF

高原朗子先生(素敵な先生です!)の心理劇にも参加してきました。なかなか楽しくて、良い経験でした。

【追記 2005.8.23.】
上記には、「批判的な部分」を書いてありませんでしたが、「権力とマイノリティ」というブログからの、トラックバックを頂きましたし、MLなどに書いたものを、追記しておきます。

この紹介記事の内容に不満足な点は、いろいろ指摘されている問題点に、ほとんど踏み込むことができていないいことです。まず、根本的に「障害」として扱うことの是非に触れていない点。法律で地域支援で頑張れと言っているが、実情として体制ができていない点(予算面・人的資源面)。従来の特殊教育との関係がはっきりしない点(従来の特殊教育が手薄になりつつあるという批判もある)、などなどに触れられていないので、もの足りないわけです。

| | Comments (1) | TrackBack (1)

« July 2005 | Main | October 2005 »